★メモをとろう(ケーススタディ)
ここでは、メモをとりながらのセールスマンとの応対について、実例をあげながらご説明したいと思います。
家にいれば、実際には訪問販売じゃない人も数多く訪ねてきます。特に悪徳訪問販売のセールスは、物を売りつけるという本来の目的を隠して近づいてきますから、他の要件で訪ねてきた人と見分けるのがたいへんです。
ドアホンが鳴って、『どちら様ですか?』と訊ね、『浄水器の訪問販売です』という答えが返ってくれば、大抵のひとは、『要りません』と簡単に断ることができます。しかし、これが例えば『お宅の電話の事なんですが』とか『お宅のプロパンガスの事なんですが』とか『お宅の塀のことなんですが』などと言われたら、いきなり『うちは必要ありません』とは答えにくいものですよね。
そこで、玄関先にいつもメモを用意しておいた上で、相手が何と言おうと『ちょっと待ってくださいね』と受けるのが、上手な応対のスタートとなります。以下、消火器の訪問販売の実例に沿って進めていきます。
★実例
ピンポーン・ピンポーン(ドアホンの音)
家人 『はーい、どちら様でしょう』
セールスマン『○○市防災協会の者ですが、こちらは消火器置いていらっしゃいますか?』
(この時点では、セールスマンかどうか判断できません)
家人 『ちょっとお待ちくださいね』
(メモの用意)
『はい、どちら様でしょう?もう一度お願いできますか』
セールスマン『○○市防災協会の者です。消火器の点検にうかがったのですが、こちらは消火器置
いていらっしゃいますか?』
家人 (以下はすべてメモをとりながら)『○○市防災協会の方ですか。お名前は?』
セールスマン『○○と申します。ただいま町内の皆様のお宅を訪問して消火器の無料点検をしてい
るのですが、こちらの消火器の使用期限を確認したいのですが』
家人 『○○さんですね。消火器の無料点検にいらしたという事ですね。
どちらの依頼で来られましたか?』
どうですか?相手の言う事を確認しながらメモを取り、逆にこちらの知りたいことを質問していくことで、会話の主導権は完全にこちらにあるということがお分かりいただけると思います。また、メモを取られているという事は、相手も雰囲気で分かりますから、もうこのへんで悪徳セールスマンならあきらめモードに入ってしまいます。